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カテゴリ:★各地の展覧会リポート( 10 )
束の間美術館ソイサバーイ展イベント編・その3
<2/16 トークセッション>

トークセッションは
展覧会のメイン会場であるSilpakorn大学のメインホールで行われました。

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学内のあちこちに「会場はこちら」という矢印が貼ってあって、迷うことなく会場に到着(なんと一番乗り)。
さすがメインホール、階段状の大教室でかなり広いです。
センターには長机とイス、そしてスクリーンも準備されています。
お客さんの中には、日本人の方もかなりいるようでした。(在バンコクの方でしょうか?)

開始時間の午後3時を少しすぎた頃、澤さん、豊嶋さん、奈良さんが登場。
スクリーンに米子やソウルなどの建て込みの映像を映しながらトークセッションが始まりました。


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最初に、澤さんが展覧会についてと展覧会までの経緯を説明。
(ここは、チェンマイとほぼ一緒な感じ。ただ、今回は日本語ータイ語の通訳の方が入っているので、英語ではなく日本語での説明でした。詳しく分かってよかった〜)
日本にタイのアーティストを紹介する展覧会(grafでの「8月のタイ」展)の成功のあと、タイにも何かフィードバックをしたいということで、今回の展覧会が企画されたそうです。

次に豊嶋さんが、grafやgraf gmについて、そして、奈良さんとの出会いから今回の展覧会、さらにAtoZまでを説明。
スクリーンでは、その話の内容に合わせたスライド(散らかったスタジオの様子、今回の展示風景や今までの建て込みの様子など)が写ったりして、小屋初心者の人にも分かりやすかったと思います。
最後には、解体ボランティアの募集もありましたー。



次は、奈良さんがYNGの始まりからロンドン&バンコクまでを、ここまでに流していたスライドの内容も交えながら説明。
合間には、おなじみの犬や猫の写真や、タイのチャンビールについて(安くて強いらしい)などの話もありました。
「バンコク小屋の看板(「1,2,3」の帽子の女の子たち)と同じコたちが、ロンドンにも大阪にも、そして青山のカフェにもいるんです」という話が素敵でした。

そのあと、一枚の絵ができるまでをスライドを見せながら解説。
会場にいる殆どの人たちが、どのように絵ができるかを初めて見たのではないかと思います。
会場からは何度も驚く声や、笑い声(試行錯誤のところで)などが聞こえていました。

トーク後は質問タイム。
奈良さんの作品だけでなく、小屋についての質問も多かったです。
絵ができるまでのスライドを見て、作品の見方が変わったという声もありました。
印象的だったのは、小屋の設計についての答えで、設計に合った廃材を探すのではなく、手に入った廃材に合わせて設計しているという話。
(「料理に例えると、シェフの料理じゃなくて主婦の料理なんです」と豊嶋さん)
バンコク小屋での窓枠や手すりの使われ方を思いだして、なるほど!と思いました。

最後は、チェンマイでも通訳をしてくれたタイ人作家、アンクリットさんの解説付き「S.M.L」DVD上映。
解説に合わせて客席からは笑い声も起こったりしていたのですが、いかんせんタイ語がさっぱり分からず残念無念。
(映像と関係ないところで笑い声が起こったりしていて、何を言ってるのか気になりましたー)

上映後トークセッションは終了。
終わったのは六時過ぎ。内容満載の3時間でした。


<2/17 さよならパーティ>

さよならパーティの会場は、展覧会場のひとつRajata Art House。
住宅地の中にある木造の一軒家で、一階部分と離れが展示スペースになってます。(ここにはアーティストも住んでます)

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パーティは6時からだったのですが、私は渋滞で遅れてしまい、着いたのは7時半頃。
すでにエントランスやお庭にたくさんの人が集まっていてさらに道路にも何人かあふれてたりして、パーティまっただ中という感じです。

私の到着前に、今回の展覧会に参加してくれた子供たちへ、奈良さんがTシャツをプレゼントするセレモニー(?)があったそうで、
「感動的だった!」(奈良さん談)と聞いて、遅刻したのをかなり後悔。


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会場には、食べ物もビールも(そしてアイスも)
たくさん用意されていて、それをいただきながら展示を見たり、
(最初に来たときより増えていました!そして、中庭では映像作品を上映してました)
会期中に知り合った人と話したり、
帰ろうとしている奈良Tシャツの子供たちを見つけて写真を撮ったり。
いろんな国の人が集まって、みなさんとても楽しそうでいい雰囲気でした。


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そうこうしていると、エントランス奥でライブのセッティングができあがり、なんとライブがスタート。
住宅地だから静かめなパーティなのかなと思っていたので、うれしい驚きでした。
(このArt Houseに住んでいるアーティスト二人のバンドだそうです。知ってる曲のカバーもあったりして、楽しかった)
ライブの後半には、イベントにも出演したTuomasさんが飛び入り参加。
そこからはジャムセッションみたいになっていたように思います。(酔っていたのでちょっと曖昧)


実は、Tuomasさんは「一緒にライブやろうよ!」と奈良さんを誘ったのですが、
「20年以上ギターを弾いてないから」と実現しませんでした。
見てみたかったなあ〜。

というわけで(?)、奈良さんはDJで登場。
ラモーンズなどおなじみの曲が次々にかかり、音量もやや大きめに、みんなで楽しく盛り上がりました。(奈良さんはマイクで「アナーキー・イン・タイランドー!」と叫んでました)

が!なんと。
盛り上がりすぎてしまい、警察官が登場....。
時計を見れば11時過ぎ、ということで、ライブイベントの会場Pla Dibへ移動することになりました。

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Pla Dibは、閉店時間が近いからかほぼ貸し切り状態。
なので、遠慮することなく大音量でDJを再開!
みんなも盛り上がってます!!(誕生日のコに、みんなでハッピー・バースデイを歌う一幕も)
そのうち、選曲が変化してきてマイケル・ジャクソンなどがかかり出し、思い切りダンスフロア(というか、ディスコ?)みたいになっていきましたー。

そんな中、飛行機の時間の関係で、私は1時前に帰ってしまったのですが、
パーティは2時近くまで盛り上がり続けたようでーす。
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(写真と文・あすか)
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by AtoZ_reporter | 2006-04-06 09:23 | ★各地の展覧会リポート
束の間美術館ソイサバーイ展イベント編・その2
<2/15 チェンマイ ワークショップ>

チェンマイは、バンコクから北へ約750km。
北に位置し海からも遠いせいか、バンコクよりも湿気が少なくて、朝晩は長袖でもいいくらい涼しかったです。

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ワークショップ当日は朝九時にチェンマイ駅集合
...だったのですが、
作家&スタッフチームの到着が遅れたため(列車の故障らしいです)、12時15分にやっと合流。

なんとバンコクから列車で16時間半の長旅、お疲れさまです!
(移動の列車の中も盛り上がっていたようです)


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チェンマイ駅合流の私たち5名を加えて約20名の一行は、まずカオソーイ専門店で腹ごしらえ。
カオソーイはタイ北部の名物料理でカレー味のラーメンです。(さっぱりしてスパイシーなスープでおいしかった)

食べながら一人ずつ自己紹介をして、早々に次の目的地 the land に向かいます。


the land

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the land はチェンマイの中心部から40km程、個人的に今回一番の目玉です。(なぜなら、この機会を逃すと自力では行けなさそうな気がしたから)
初めは見晴らしのよい広い道路を進んでいたのですが、最後は車一台がやっとという感じの未舗装の道を通って到着。
周りには田園風景が広がってます。(二月に田植え済みでした)

普段のthe land は、水田の周りにいろんな小屋が建っている状態らしいのですが、今回は展示のために水田はなくそこに大きな家(竹の骨組みのみ)が建ってました。
それを眺めながら、その展示の説明とthe land の説明を(英語で)聞き、
その後、一つひとつの小屋を(ここも英語で)説明してもらいながら見てまわりました。


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説明をすべて理解できたわけではないのですが、
ここを気に入った作家が自費で作品を創りに来るという、ギャラリーや美術館とは全く異なる場所(the land)に、様々な機能やコンセプトの小屋が集まって、自給自足的な村のモデルができていくのかなあといった印象を受けました。
小屋群のなかには、水牛がロープを引いて発電するバッテリーハウス、牛糞から調理用のガスを発生させる無臭の装置(風船みたいなものにガスが貯まっているらしい)
などがあり、今後は、ソーラーでトゥクトゥクを充電する小屋もできるそうです。

自給自足というと、私はなんとなく薪やロクソク的なイメージだったので、「テクノロジーを否定しません」という言葉はとても新鮮でした。


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それ以外にも
風水的に間違った方法で建てられた角だらけの小屋(精霊が集まるらしい)
木を植えるところから始めてるツリー・ハウス(5年目だけど、もちろん未完成)
木が腐ったので取り壊し中の小屋(美術館ではないのでメンテナンスはしないとのこと)
などがあり、
これからも増えて(そして減って?)いくそうです。

このプロジェクトに完成やゴールはなく、新しい人が加わることで方向性も多少変化しながら続いていくと聞いて、これから先どうなるのかをまた見てみたい気持ちになりました。


トークセッション

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the landを一通り見た後、トークセッションの会場the land のオフィスへ。
チェンマイ大学のすぐ近くと聞いていたので、街中なのかなと思っていたら、なんと森の中でした。
敷地の中に二階建てくらいの高さの建物が三棟ほどあり(ひとつは瞑想専用の建物。誰でも使えるそうです)、
たくさんのスタッフや学生さんが食べ物を用意しながら、私たちを待ってくれていました。

すっかりセッティングされた料理(どれもおいしかった)をつまんでいると、トークが始まる雰囲気なので、会場へ。
靴を脱いで赤いゴザ(?)の上に好きなように座っていいので、リラックスできる感じです。(でも、タイでは足の裏を人に向けると失礼なので、そこだけ注意ー)


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まずは地元の作家アンクリットさんがタイ語で説明をして、キュレーターの澤さんを紹介。
澤さんは今回の展覧会までの経緯などをざっと英語で説明し、マイクは奈良さんへ。
奈良さんは「何を話していいか分からない」と緊張している様子でしたが、
参加者の殆どが奈良さん本人に会うのは初めてということで、まずは子供の頃からドイツ留学までの奈良さんの半生を話すことに。
(日本語ータイ語の通訳がかなり難航して、最終的には奈良さんの日本語を澤さんが英語に訳し、さらにそれをアンクリットさんがタイ語に訳すという形になってました)


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その後、質問タイムがあり
grafとのコラボレーションについての質問が出たところでマイクは豊嶋さんに。
奈良さんとの出会いとYNGの始まり&これからの展開を英語で答えてトークセッションは終わりました。

印象的だったのは、奈良さんの描く女の子についての質問に、
「子供の頃に描いていた壮大な物語(自分と飼いネコが南極を目指して冒険するという内容)のネコが、描いているうちに徐々に女の子化していって、それが今描いている女の子の原型だと思う」
と答えていたことでしょうか。
初めて聞いた気がします。

トーク後は自由解散という感じで、7時頃にワークショップは終了しました。



(写真と文・あすか)
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by AtoZ_reporter | 2006-04-06 08:25 | ★各地の展覧会リポート
束の間美術館ソイサバーイ展イベント編・その1
レポートがたいへん遅くなってしまいましたが(間が空いてしまってすいません!)
二月にタイで開催された、ソイサバーイ展のイベントの模様を三回にわけてお送りします。
(ソイサバーイ展のレポートはこちらです)

<2/13 ライブ@ Pla Dib>

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会場はPla Dibというレストランです。
(店名はタイ語で「刺身」。寿司カウンターもあります。二階はギャラリースペースで、今回の会場になってます)

この日はライブ仕様で、店内にイスやテーブルはなく、レストラン全体がフロアといった感じです。
私が遅れて到着した頃には、外のガーデンスペースにもお客さんがたくさんいて、とてもにぎやかでした。


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入り口手前でビールをいただき(なんとタダ!しかも入場料もなし!)、中へ入って二階に上がり、まずは展示をチェック。
前は住宅だったらしく、お風呂場や小さい部屋があり、そこにも展示があって素敵です。
さっと見て戻るつもりが、かなりじっくり見てしまいました。(この間に一番目のライブが終わってしまったようです〜)
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二番目は、タム君ことWisut Ponnimitさんのライブ

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自作のアニメーションを上映しながらそこに即興のピアノ演奏をつけるスタイルです。
たくさんのお客さんの殆どがタイ人なので、コミュニケーションもスムーズ。
映像が止まる機材トラブルの時でさえ、ほのぼのとしたやりとりでした。(でもタイ語なので詳細は不明...)
お客さんの反応が日本よりダイレクトで、ストーリーに合わせて笑いがおきたり、ため息が聞こえたりということが多かった気がします。

ちなみに、このお店のオリジナルカクテルには「he」「she」「it」がありましたよー。


三番目はこの日のシークレット、moderndogのライブ

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普段はスタジアムクラスのライブをするバンドなので、こういう場所で見られるのはかなり貴重らしく、
お客さんはさらに増えてきて、始まる前から熱気を感じます。
フルメンバーで見るのは私も初めてだったのですが(ちなみに編成はVo&G、G、Drの三人)、さすが!!といういいライブでした。
アコースティックだったので、みなさん比較的静かに、しかし心は熱く盛り上がっていました。


最後は、Tuomas Toivonenさんのライブ

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ライブの相棒になるはずだったネクタイ型の機械が壊れてしまったそうで(面白そうだったので残念)、moderndogのギターを借りてライブはスタート。
様々な機械を駆使して音を作り上げてる感じです。
ライブが進むに連れて、スペースができたフロアで踊り出す人たちも出てきて、最後はダンスフロア状態で盛り上がりました。
アンコールに次ぐアンコールで、11時近くまでライブは続きました!


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セット替えの待ち時間は、二階の展示を見たり、展覧会のグッズや参加アーティストnuts societyの服(買えるのです!)を見たり買ったりして、こちらも楽しかったです。(nutsの服はけっこう熱中して選んでしまいました)



(写真と文・あすか)
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by AtoZ_reporter | 2006-04-06 08:24 | ★各地の展覧会リポート
小屋倶楽部、バンコクへ行く!
ちいさな小屋☆通信

台湾で(勝手に)結成された小屋倶楽部、今回は、バンコクへ行ってきました。
夕方、バンコクに着き、ホテルからシラパコーン大学でのオープニングにホテルから向かうものの、タクシー3台に「わからない」と乗車拒否。
日本ではあり得ないけど、まあ、マイペンライ?
4台目のタクシーをゲットして、すごい渋滞を抜け、大学の周辺で迷うもののオープニング1時間遅れで、大学裏門に到着。
学生がまだまだたくさんいて、座っておしゃべりしたり、コートでは男子学生がバスケをしていたり。
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守衛さんに、案内状のハガキを見せてギャラリーの場所を聞くと、そこに座っておしゃべりをしていた女子学生のコに「連れってってあげなさい」と。
その子につれられてギャラリーの方へ向かうと、中庭に暗い中にライトアップされたプーケットの大きな犬が見えました。
間近で見ると、プーケットの子供たちとがしがし遊んでいるんだなあと思われるキズがあちこちに。
さわってみるとあったか〜い。タイの気温であったまってる。
このプー犬、かちかちでなくて、意外にやわやわな感じなんですよ。
耳とか特にパコーンって感じです。

やはりオープニングセレモニーは終わってしまっていましたが、ギャラリーはまだまだすごい人であふれてました!
ちょっと前までは、この3倍いたとかいないとか。
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ギャラリーは犬のいる中庭をコの字形に囲んでいる校舎の一つの1階。
ガラスの入口越しにライブドローイングしてるタムくんが見えました。
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プーケット犬を描くタムくん


タム君を横目に見つつ、入り口を入ると、正面には、HPのTOPと同じ、カレンダーのついた切り抜きのタイトルが。
そして文字の上にはキラキラ。
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このキラキラは、まるでちいさな☆通信のカバーからとってきたみたいで、キンキラの王宮や寺院の装飾のタイっぽい!
このキラキラマークは、ロンドン小屋から増えたアイテムだそうで、ロンドンのキラキラは、豊嶋さんの手作りだったそう。ここのキラキラは、タイ製だそうです。
タイ、これ作るの得意そうだよね?

そして、その右手の部屋に、目的の(?)奈良+graf(YNG)小屋はありました!
うーん! ちいさくてかわいい!
ソウルハウスや台北ハウスは、その大きさに「うわーーー」っとなったけど、
この小屋の小ささには、「きゅー」って感じです。

ほんとうに、ちいさな小屋!
家でも、街でもなくて、街外れにぽつんと建ってそうな小屋でした。
もちろん、奈良さんが住んでいそうな。
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白い小屋の上にはTriplets Sisters? あの3人のコたちの看板が。


左側に、茶色のほそーい観音開きの扉があって、その細さが、タイっぽい!
小屋の右側の外壁は、白。扉のついている側は茶色の地に、ところどころに白と水色(みどり?)。色といい、廃材といい、小屋マニアとしてはわくわく。
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扉を入ると、廊下になっていて、天井には見慣れた裸電球が。
またしても小屋マニアにははずせないツボ!
廊下の板は、幅広、テラテラのフローリング。(ちなみに屋根は、さびさびのトタン)
そして正面に小さなペインティングとキラキラが!
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ペインティングのサインの日付けはタイ暦!

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そして右に曲がると、ドローイング部屋になっていました。
ドローイング部屋は、木の手すりで区切られた、でも通路と床の高さが同じ高さの部屋でした。
この手すりが、また、なぜかタイっぽいです。
そろばんの玉が並んだみたいな細工の手すりで、色は塗られてなくて、茶色の木のまま。
ニスを塗ったら、ものすごく吸い込みそう。
作業机も、濃いめの色のベニヤ(安そうな)板でした。
(今回は、とってもいい廃材が手に入れられたそう。by. grafアオヤン談)

中に入ってタイだ!と思ったのは、なんと、窓に網戸が張られていること!
でも、いつものとおりのすき間だらけの廃材小屋だから、虫が入って来ること、99%間違いなし!
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正面には、130cmくらいの正方形に近い大きさの、片目がばんそこのコの絵が一枚ばばーんと貼られてあって(もちろん画びょうで…)、左右の壁には小物や、ドローイングが。
その小物たちの中には、見覚えのあるものや、現地の露天で買ったのかな?と思われる小さな仏像やミラーボールも。
部屋の机側には、網戸の張られた横長の細い窓。
跳ね上げ式の窓(鎧戸)が上がっていたけど、夜になったら閉めるのかなあ。
廊下からの出口は、なんと1m程の高さしかない、観音開きの茶色い小さな扉。
そこにはタイ語で何か文字が。
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頭ぶつけるから『危険!』とか書いてあるのかなあ?『ばいばい』かなあ?『サンキュー』?


絵の向かいにあたるところには大きな格子の窓があって(開きます!)、その横にクーラーの室外機置き場?と思うような茶色の木で作られた出っ張りが。
人がたくさん集まっていて、何かと思ったら、モニターが入っていて、A to Zへの道?DVD(ボランティア説明会で流されたという映像)が流れていました。
日本語わからないと思うけど、タイ人の人たちは、一生懸命見ていましたよ。
でも、これ、自然にリピートしたりしなかったり。
ま、ここも、マイペンライ〜。
ソイ・サバーイ?
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翌日、閉館30分前には、すっかり電源が落ちてました(笑)


入り口から小屋の周りには、地元の小学生が作った犬と、シラパコーン大学の学生が作ったという犬小屋がたくさん置かれていました。
青い犬? 赤い犬?
小屋?(笑)
みんなうますぎ!
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2階建て〜。AtoZのこころ!


ところで、ドローイングルームには恒例?となったライブドローイング、ここでもありました。
正面の大きな絵の位置を直していた奈良さんが、突然色鉛筆を持って、部屋を吟味しはじめ、左側の白い壁にさらさらと描き、3分ほどでフィニッシュ!
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できあがり!


この時点で、すでに9時。
オープニングはそろそろおしまいでした。
外に出ると、大きな月が。
暑いタイももうすぐ満月でした。
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ところで、今回の展示は、3カ所の会場に、奈良さんの作品が展示されています。
別会場rajataに置かれている、小さなプーケット犬とその小屋は、タイ小屋と同じ廃材を使っていて、中は白ペンキ塗り仕様。
この犬は、プーケット犬の原型で、脚やしっぽには、実際の高さの線や数字が書いてありました。
(足の甲には50(cm?))
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大きく見えるけど


このrajataの展示スペースは、白の壁に、水色の扉の小さな小屋のような、バンガロー?のようなアトリエが何軒か集まっているかわいいスペース。
家は高床式になっていて、もちろんクーラーとかなくて、窓は開けっ放しで、 植物が日本の10倍くらい大きくて、ずっとぼーっとしていたいような(しちゃいそうな?)場所。
大学からはチャオプラヤ川を船で上流に5つ目で、船着き場から男子の足で172歩?
移動がすごく楽しかった!
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実はこんな大きさ〜

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舟付き場の屋根の上に、何かこわいものが!


もう一つの『Nightwalker』が展示されているスペースは、街はずれのおしゃれさんが集まるカフェバーのようなレストラン。
2階へ上る踊り場の壁に、夜になったら歩き出しそうに展示されていました。
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今回の展示はあちこちに散らばってて、船に乗ったり、電車に乗ったり、途中で屋台に寄ったりと、移動の間も楽しさてんこ盛り。
A to Zもこんな感じに小屋から小屋へと渡り歩けるのかと思うと、目が回りそうにわくわくです!

おまけ。
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大学にいたりす。でかい。

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ドクター×2

写真と文・qz+ma
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by AtoZ_reporter | 2006-02-17 02:35 | ★各地の展覧会リポート
「束の間美術館ソイサバーイ」展報告2
1からのつづきです。
「束の間美術館ソイサバーイ」展は、シラパコーン大学ギャラリー以外に3つの展示会場があり、それぞれの場所を探してバンコクの街を彷徨うのも、大きな楽しみのひとつでした。
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このチラシの裏が地図になっています。スタンプラリーもありました。


民家のようなくつろぎスペース、Rajata会場へ

シラパコーン大学からはそう遠くないラジャタ会場は、民家の建ち並ぶエリアにありました。ワークショップや展示などで使われるアートスペースだそうで、いい感じに使い込まれた木造建て三棟から構成されています。

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中央の水色に塗られた棟がメインの展示会場。人を安心させる趣があります。


窓から気持ちのいい風が入る(蚊もいっぱい入る!)空間に、作品が点在し、ここにミニミニ奈良美智+graf小屋もありました。
自宅にいるようにくつろいだ空気が流れていて、そこに居るだけで、タイのゆっくりした時間の中に引き込まれてしまいます。美術館とはまた違う、アートと日常が自然に解け合う希有な場所。こんなところが近くにあれば、毎日通ってしまうのに!ていうか、住みたいぞ。

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スワン・ライマネーさんは、タイ式マッサージを指導。観客同士で治療しあいます。

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細木由範さんの樹の幹の彫刻。キノコのように生えてきた?


夜のアートスペース、Pla Dib会場へ

都心のサイアムあたりまでいったん出て、電車に乗ってアリー駅へ。路地裏の熱気がうずまく町中から一転、豪邸の建ち並ぶハイソなエリアをてくてく歩き、ナイトスポットのプラ・ディブへ。気負わない家具や空間のデザインがセンスよく、タイのgrafのような(?)落ち着ける場所です。日中は開いていませんが、展示を特別に見せていただきました。一階はライブ会場とバーで、その二階が展示会場になっていました。
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プラ・ディブ会場の外観

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階段ホールに奈良美智さんの「Nightwalker」が展示。中央がSutee Kunavichayanontさん「タイの摩天楼」、右が伊藤利江さんの「flower」。

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左から、イーリー・キシモトさん、Ambient TV.NETさん、Podさんの作品。

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お風呂場を使ったPhilippe Laleuさん、Porntaweesak Rimsakulさんの展示。他の部屋には都築響一さんの秘宝館写真もありました。

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アシスタント・キュレーターのケイトさんが作業中でした


Ruen Nuad会場でマッサージ!

電車のサラディーン駅から、道沿いで野菜や揚げ物、汁物を売る屋台の美味しそうな香りをくぐりぬけ、お洒落なレストランに隣接する、二階建てのマッサージ屋さんへ。
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飾られているのはSutee Kunavichayanontの一点のみ。あれれ?
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西洋人の紳士がムエタイ選手に踏まれて(揉まれて?)います。


でも、せっかくここまで来たのだからと、フット・マッサージを受けていくことにしました。1時間でたった1000円弱。強すぎない適度なマッサージをゆるゆる受けていると、頭が覚醒したりまどろんだり、いつのまにか夢見心地に……旅の疲れも落ちていきます。
タイにおいてはマッサージは宗教的意味合いもあると聞いたことがありますが、ここでマッサージを受けることも、展覧会の意図のひとつだったのかもしれません。さらには、道すがら屋台でご飯を食べたり、暑い街の雑踏で人々の生活を感じることも、展覧会の一部なんじゃないかと思えてきます。すべてがソイサバーイ。街全体が展覧会に見えてきました。
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古い建物をリノベしたマッサージ屋さんの二階は、くつろげるベランダ・スペース。

マッサージ屋さんは、よく見ると民家を改築した雰囲気のある造りで、廃材を上手く利用しているところなど、A to Zの小屋の風情ととてもよく似ていました。
そう思って街を歩くと、バンコクには「A to Zな」建物がいっぱいあります。もとの造りがわからないほど手が加えられたつぎはぎの家や、おんぼろだけど愛嬌のある小屋も、新しい規格品の建物にはない、生活の温もりや人の生きる力に満ちています。
じつは、バンコクに建った奈良+grafの小屋が、あまりにもこの土地に馴染んで見えることが最初は不思議でしたが、その理由が少しだけわかったような気がしました。タイには、A to Zの精神がごく自然な形で、日常の中に息づいているのです。いや、残っているというべきでしょうか。
そしてそれは、以前、弘前の煉瓦倉庫に建つ小屋を見たときに感じた感覚にも近いものでした。

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チャオプラヤ川の船着き場も「A to Z」に見えてくる!


シンハー・ビールで一服しながら、ある人がポロリと言った言葉が印象に残りました。
「A to Zは、奈良さんや豊嶋さんが世界中を旅して見て、感じたことが、小屋という形で表現されているんじゃないかな・・」。
そんな旅の感覚を追体験できたサバーイなバンコク紀行は、いつまでも余韻を残したのでした。
(文・写真=宮村周子)

*「束の間美術館ソイサバーイ」展のHPはこちら
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by AtoZ_reporter | 2006-02-16 14:56 | ★各地の展覧会リポート
「束の間美術館ソイサバーイ」展報告1
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展覧会プレートはジョナサン・バーンブルックデザイン!


文化遊牧民の澤文也さんがキュレーター

タイのバンコクで、2月11日〜17日までの一週間開催されるグループ展「束の間美術館ソイサバーイ」。奈良美智+grafが参加したこの展覧会は、澤文也さんとgrafの豊嶋秀樹さんの共同キュレーションで実現しました。
澤さんは、大阪にいたかと思えば、次はロンドン、そして台北、インドetc.と、世界各地を旅して回る、神出鬼没の不思議な方です。肩書きは「記録人」とよくされていますが、様々な企画を手がけるほかに、執筆、翻訳、写真家等々、実に多彩な顔をお持ちで、なによりその交友関係の広さは驚くばかり。新しくて面白いことをしている人達を誰よりも早くキャッチし、口コミや展覧会や記事を通じて紹介してくださいます。
そんな澤さんは、じつは奈良さんとgrafとを最初に引き合わせたキイ・パーソンでもあります。2003年にgraf media gmで開催されたグループ展「my room somehow somewhere」に奈良さんが参加したのが事の発端。同展は、気の合う仲間の活動を自室でくつろぐようにして紹介したアットホームな企画で、そのコンセプト自体が、自分達のhomeにこだわる「A to Z」展のスピリットと共鳴しています。そのあたりの経緯は、ソイサバーイ展HPにあるご挨拶文に詳しいです。

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澤文也さんと奈良美智さん。じつはトラックの荷台で風に吹かれています。


さて、澤さん今イチオシのタイのアートシーンを紹介する展覧会は、2004年にやはりgraf media gmで「8月のタイ: welcome to soi sabai」という名で開催されました。これがさらに熟成し、日本や世界各国からのアーティストも多数参加して、タイ本国で実現したのが、今回の「束の間美術館ソイサバーイ」です。4会場を使い、29組のアーティストが参加。ソイサバーイとは、「気持ちのいい路地」という意味だそうです。
バンコクにはどんなサイサバーイが待っているのでしょうか?

メイン会場シラパコーン大学ギャラリーでオープニング!

奈良美智+grafの建てた小屋の詳細については、別のリポートをご覧いただくとして、ここでは展覧会の全体をざっくりと報告していきます。

まずは、2月9日の夕方6時から開催された展覧会オープニング。日中は30度を超すバンコクですが、夕方に日が陰ると少しだけ過ごしやすくなります。王宮前広場に隣接したシラパコーン大学のギャラリーへ向かうと、プーケットから運ばれてきた奈良さんの犬「Your Dog in Phuket」を囲み、式典が始まっていました。

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出品作家たちがご挨拶。中央のピンクのTシャツの人が豊嶋さん。


座席で目が留まったのは、手作りの犬を大事そうに抱えた小学生の姿。実は彼らは、展覧会の一環として行われたワークショップに参加した地元の子供達で、学校帰りの時間を使って、奈良さんの犬の絵を見ながら彫刻をつくりました。そして、それぞれの犬の名だけを聞いて、建築学部の学生が廃材で犬小屋を作成。オープンの日にお互いの初披露となったそうです。なんだか心温まるサプライズ・ストーリー!

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花柄制服シャツの子供達は自作の犬を手に。

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彼の犬にはこんな家が待っていました!

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自分の家をもった子犬達。どれもかわいい!


シラパコーン大学はイタリア人彫刻家のシルパが創設した美術大学で、大学の校歌は小節の利いた「サンタ・ルチア」(!)なんだそうです。
オープニングの夜はとにかくたくさんの学生や来場者で大にぎわいでした。
展示に使われたギャラリーは大部屋二室と小部屋二室からなる立派なスペースで、奈良+grafの小屋は右手の奥まった一室を使用。サイズは小ぶりながら、これまでの技の粋とタイの息吹が込められた力作でした。

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日本でも人気のウィスット・ポンニミットさんはエントランスの壁に来場者の似顔絵をライブ・ドローイング。

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子供達に大人気だったAamu Song(Anteeksi)さんの着られるアート。祭事用と日常用と二種類。

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犬は展覧会の隠しテーマ。違う犬種になれる犬用着ぐるみに爆笑。Peng Hung-Chihさん作。

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ポール・デイヴィスさんのドローイング・インスタレーション。

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思わず笑っちゃう、梅佳代さんの写真シリーズ。

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グッピーの水槽やジオラマでコンロを改造。映像と組み合わせた作品。


このほか、米田知子、Mai Hofstad Gunnes、映像ルームではコーネリアス+辻川幸一郎といった皆さんが作品を発表。世界最速のアート展はなんだかユーモラスで身近で、居心地がよくて、いつまでも会場にとどまりたくなりました。(2に続く
(文・写真=宮村周子)

*「束の間美術館ソイサバーイ」展のHPはこちら
>>報告記事2へ
>>小屋倶楽部のバンコク記事へ
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by AtoZ_reporter | 2006-02-16 14:35 | ★各地の展覧会リポート
奈良美智+graf、タイへ行く!
冬季オリンピックで沸く厳寒のトリノとはうってかわって、
灼熱の太陽光がふりそそぐ「ほほえみの国」といえば・・
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そう、タイ国はバンコクからの速報です!
「A to Z」企画の大立て役者、奈良美智+grafが、タイのグループ展に参加したのです!
ちょっと前まではロンドンに居たはずの彼ら、
なんとその帰りの足でバンコクに寄り、また新たな小屋を完成させたというから驚きです。
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ほぼ作業を終えた2月9日の夜、シンハー・ビールで前祝い!
改心の出来、とスタッフが胸を張るバンコクの小屋がこちら。
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展覧会は、澤文也さんのキュレーションによる「束の間美術館 ソイサバーイ」展です。
2月10日にオープニングを迎え、最終日17日までの間に、
ライブイベント(13日)、ワークショップ(15日)、トークショウ(16日)、
おわかれイベント(17日)など、企画が盛りだくさん用意されています。
バンコク市内4か所の会場を使い、上記の小屋が建てられているのは、
そのうちのメイン会場、シラパコーン大学ギャラリーです。
ギャラリー前の広場には、プーケットに設置されていた大きな犬の彫刻もやってきていました。これはスマトラ沖地震のお見舞いとして子供達に贈られたものでした。
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そして、別会場にはさらなるミニミニ犬小屋も!
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とにかく見どころ満載のこの企画、詳細は続報にて!

*ソイ・サバーイ展HPはこちら

おまけ↓



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バンコク犬は暑さにバテ気味・・
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by AtoZ_reporter | 2006-02-14 00:56 | ★各地の展覧会リポート
ロンドン展覧会プレビュー 2 
プレビュー当日は朝から冷え込みが厳しくてかなり寒かったんですが、そんな寒さもなんのその、ギャラリーには奈良さんの展覧会を心待ちにしていた、たくさんのお友達やファンの方々がいらっしゃっていました。マイナス何度という気温にも関わらずギャラリーの外でもたくさんの人たちが中に入るのを待っていたり、談笑し合う姿も。

そんな寒さのなか奈良さんにもYoshitomo Nara+grafのタイトルの前で記念撮影にご協力頂きました。 ありがとうございました!


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プレビューの中盤には観覧される方達の数もどんどん増えていって、ギャラリー内は一時は満員電車状態でなかなか思うようにゆっくりと作品を観覧できない状況だったのでは?と思いましたが、それでも会場を後にされる方達はみなさんとてもハッピーな笑顔を浮かべていたのが印象的でした。
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さらに奥の部屋にあるクレイハウスの作品や、その他の展示に関してもまだまだ話題はつきませんが、ひとまずはここまでで。

レポートの続きはしばしお待ちくださいませ! (文・写真=前田エリコ)
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by AtoZ_reporter | 2006-02-04 02:04 | ★各地の展覧会リポート
Yoshitomo Nara +graf : ロンドン展覧会プレビュー
2006年2月2日(木)に行われたロンドンのスティーブン・フリードマン・ギャラリーでのYoshitomo Nara + grafのプレビューの模様の速報です!

展覧会の全貌をレポートさせて頂くのには、あともう少しだけお待ち頂かないといけないのですが。。。とりいそぎ、今回の展示の一部を少しご紹介できればと思います。

いままでになく今回の展示で特徴的な部分は、ギャラリーの正面部分がガラス張りという建物自体の構成を利用したインスタレーションの構成になっているところ。

ギャラリー内に足を踏み入れる前から、まずはギャラリーの中に突如として出現した小屋の存在にあっと驚かされ、さらに奈良さんのアトリエの雰囲気が再現されたスペースが窓越しにも見ることができるので、否が応でも期待は高まります!

(写真はギャラリーの正面入り口横のガラス部分からみたところになります。)

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by AtoZ_reporter | 2006-02-04 01:26 | ★各地の展覧会リポート
『home』展リポート @graf media gm
挑戦状、届く!?

 記者会見の席上で「今回の展示で作られたのはどこまでなのですか?」との質問が飛び出してました。 会場であるgraf media gmを初めて訪れる方は、ビルの中に家を建てている「こういう趣向」の場所なのかと思われるかも知れません。つまりは、とても仮設というか、2ヶ月ほどの展示のためのものとは思えないほど、それはそれはしっかりとした造りなのです。
『home』展は2003年の『S.M.L』、2004年『Shallow Puddles』に続きgraf media gmで開催する奈良美智さんの3回目の展覧会で、国内外様々な場所で小屋をバンバン建てまくっている(しかもドンドン凄いことになって来ている!)grafの本拠地gmでの、意外なことにYOSHITOMO NARA+graf名義としての展覧会は初!ということになります。
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祝!初個展!!(奈良さん手書き『home』展解説図の上部。右端に「初個展!」の文字。)

 展覧会名『home』は命名:豊嶋秀樹(graf)さんで、homeというのは家族がそこに住んでないとhomeとは呼べず、一人暮らしや空き家だとhouseになるらしいのです。home sweet homeという訳か、会場内にはとってもリラックスした雰囲気が漂っています。
 「小屋マニアにはたまらない数々の仕掛けが隠されている!」という彼らからの挑戦状?を胸に、今日もまた展示を隅々まできょろきょろ見回してしまうのです。
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2005年12月17日、grafでの記者発表の様子。向かって左が奈良さん、右が豊嶋さん


会場入口に立ってみると

 昔の木造校舎のような下見板張りの白い外壁に覆われた、色々なところの展示で見覚えのある様々な廃材を用い造られたこのお家(home)は、日曜大工が趣味のお父さんが週末ごとにお手入れしながら、家族との想い出の数々をペンキと共に塗り重ねたかのように、全てをあったかく包み込んでいる雰囲気です。
 会場の入口には、「本物の」扉がしっかりついています。開閉も出入りもできます!よくよく考えるとこれまでの奈良+grafの小屋達には開かずとか開けちゃいけずの扉は何度か取り付けられてはいましたが、初の観客開閉可扉です。扉には真鍮製のドアノブやドアポストそして住所表示の「3」の数字が…。これにはgmでの3回目の奈良さんとの展覧会という意味と、grafの社名である「decorative mode no.3」という意味が込められているとのことでした。

 お家の前に設置してある白いポストへ切手を貼って出すと、home展のスタンプを押した手紙が郵送されるという仕掛けに。この場所に立ち寄ることによって、大切な人のことを思い出すきっかけになるという、今回の展示にぴったりな企画です。
そして展覧会のオープンがちょうどクリスマス前ということで、初日の朝にはクリスマスツリーとプレゼントがドアの前に置かれていました。かわいい…。
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『home』展会場入口付近。向かって右手前にポスト。


リビングルームに入ってみると

 入口のドアを開けると、目の前に壁を横浜トリエンナーレ2005(ヨコトリ)の展示で見覚えのある薄いペパーミントグリーン(ナラブルー?)に塗られたリビングルームが登場。部屋の中央には天板が八角形の白いテーブルを、小さな白い椅子が8脚取り囲んでいます。壁面一面に作られた沢山の小さな棚には、来場者が持ち込んだ人形等(奈良さん所蔵のぬいぐるみも参加)が好きな場所に展示できるようになってます。

 展示の雰囲気に見合うもの、というイメージで持参された人形やぬいぐるみが殆どなのですが、時間を追うごとに、誰もが知っているキャラクターの濃ゆーいものや、募集規定の30センチ以内を優に越える巨大なぬいぐるみなどなどが棚を占領しはじめました。あらら…ちょっと路線から外れている…と思いつつ、どこかその人形に宿る、プレゼントする側、される側の相手を思う気持ちが何とも憎めない、お土産でもらっちゃった木彫りのクマや提灯が占拠している実家のリビングに居るような雰囲気なのです。
 持ち込んだ人たちとの様々な思い出がしみ込んだ人形を見ていると、どんなささやかなものにでも、そのものの中に「幸せ」があって、周りの人々を幸せにする力が宿っているのだと、そして全てのものが何か特別な目的のためにこの世におくられた、かけがえのないものなのだと…。自分が持ち込んだぬいぐるみなのに、この場で改めて向き合うと、プレゼントしてくれた、今は会うことの無くなった友だちのことをしみじみ思い出し、胸がジーンとしてしまいました。そんな人形達と訪問者である私達を、9割方完成しているという(完成させるのがもったいない!AtoZまでとっておく:奈良談)この家の主である大作の新作ペインティング《Welcome Home》がどどーんと迎え入れてくれるのです。
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展覧会初日撮影/ずいぶん増えたんだろうな〜、ぬいぐるみ。


 窓の外からは、ヨコトリの展示の際に沢山登場していたコンテナ犬達がガラス越に覗いています。奈良+grafが2004年に横浜美術館で発表した《カブール・ノート》では、小屋の外側から、奈良さんがカブールの街の様子を撮影したスライドの映写を窓ガラス越しに「覗き見る」という鑑賞スタイルで、アフガニスタンに住む人々との距離感が表現されていました。その窓ガラスの内側に入り、外側から奈良さんの犬達に覗き見られるという、何だか今までと逆の「立場」になれた気分です。
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マッチ売りの少女風わんこ達…


ドローイングルームを覗いてみると

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ドローイングルームのデスク上


 奥に進むと、右手にドローイングルームが登場します。「ドローイングルーム」とは、奈良さんのアトリエの雰囲気を再現(実際設営中はここで制作)した、作品が生まれる環境そのものが展示されている部屋のことです。
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雨漏りがするので豊嶋工務店の若旦那に直してもらう(嘘) 



 そこにはドローイング以外にも、デスクや椅子、画材、灰皿、お気に入りのおもちゃなど、奈良さんが持ち込んだ様々なものがそこかしこに並べられています。この度のご自慢の一品かな?[GRAF ZEPPELIN]と浮き文字もまぶしい、grafに展示するのに何てお誂えな!といった銀色の飛行船二艇と、

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アップにしてみました!どこに売っていたのですか?


大きなサングラスをしたミュージシャン、ニルヴァーナのカート・コバーン(Kurt Cobain)のポートレート、そして同じサングラスでキメてる女の子のドローイング数点が壁に登場、
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Kurt…


 
 他にも新作が沢山…。オープン前日に開催されたイベント「マッコリナイト ケンチャナヨ!」では、奥の方が賑やかだなーと思ったら、奈良さんがライブペインティングの真っ最中!
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実際は黒山の人だかりで、ちょっとしか見えませんでした…こんな感じだったのですね。 


 壁に直接ドローイングし始めていました。事前に壁にピンナップされていた山をモチーフにした作品から、DIAMONDと描かれたパッチリお目々の山並みがピョンピョン外へ伸びていっています。山の上には三角屋根の家も描かれています。オープニングから初日までは、米子市美術館での展覧会の関連イベント「YONAGO NIGHT」でかけられた曲の数々が流れていました!泣。
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出来上がりはこんな感じですー!



プレイルームとは
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右奥がプレイルーム入口。八角形です!オレンジです!

 ドローイングルームの向かい側には、壁がオレンジに塗られた入口も床面も天井も(そりゃそうか…)八角形のプレイルームが登場。ボーっとしていると激突必至、ここの入口の低さはN.Yで開催された個展での出品作《Chelsea white house》のリスペクトかな?
部屋の中には、30センチ角の立方体の3×3のサイコロパズルと奈良さんデザインのクッション(製作:たかちゃん/リュクサンブル公園)が5つ、絨毯敷きのお部屋に楽しげに転がっています。サイコロの6面それぞれには、9つ組み合わせると1,2,3とトンガリ帽子にかいてあるマラカスを持った3人子ども達の絵が完成するように、9分の1つづ描かれています。
 このパスル、けっこう難しい(失礼)らしく、しかも、部屋を覗くたびに何やら面白い形に積み上げられていて、入れ替わり立ち替わり熱中して取り組んでいる姿が展開していました。順番が回らないうちに帰路につかねばならず…、うーん心残り。
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よもやこんなことになっているとは! 

(特別ゲストの間)かな…?
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青森からやってきました。《あおもり犬》(原型)です。

 テラス奥の部屋には型を取り終えたあとでちょっとくたびれた感の漂う、もとい大仕事を終えた後で男?っぷりをあげた(青森での記者発表の時はきれいな白だったのに、今回見たらグレーのまだら模様に…)来夏開館の青森県立美術館に設置され話題となった8.5メートル高の《あおもり犬》の原型(約1メートル高)が特別に展示されています。工房での微調整中、grafの先輩わんこオヤカタとクロチャンがこの3匹目の新参犬に興味津々、目が釘付け!だったそう。
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何やら心配そうに見つめている先輩犬たち 


 その向かいには《HOME》という作品が…、しかし、こちらよくよく見るといつもの作品と雰囲気が違うし、「H.Chaguin」なるサインが?これはシャガールとゴーギャンの名前をくっつけたものらしく、正真正銘奈良さんの作品です。杉戸洋さんはP. Chaguinと語っているとかいないとか…。画面をよくよく見ると、小さな三角屋根の家が描かれています。通常あまり見ることのできない彫刻原型や別の名前でサインがしてある作品が展示されているこの部屋もまた『home』展らしい、プライベートな空間に招き入れられた雰囲気です。
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作品の前で必死にこの作家名の記憶の糸を辿る人続出…



 テラスにはgrafのフラッシュパターンのプランクトンチェア&テーブルが2セット設置され、実際そこではAtoZ会場である弘前の名産、リンゴをイメージしたhome展特別メニューをはじめcafe/barで注文したものが飲食できるようになっています。記者会見の時に緑がバックにある方が画的に爽やかなのでは?と運び込んだ植木鉢もすっかり馴染んで、gmのホントの窓から差し込む陽射しがさわやかな居心地の良い空間です。
 向かって左側奥の柵には“private”と奈良さんが赤いクレヨンでさらさらっと書いていて、向こう側にはコンテナ犬たちの後ろ姿も覗けます。そしてよくよく見てみると(某所に)待ってました!小屋マニア垂涎の小さい小屋型の覗き穴が!その中には空中浮遊ピルグリムが!(詳しくは内緒)

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この小屋型の穴、ホント小さいのです!


夢の扉

 以前豊嶋さんが『S.M.L』から始まったこのプロジェクトというのは、展覧会開催地それぞれの場所で集めた材料と仲間達とで「自分たちの場所」を作ってきたものなんだと説明されてました。
 でもその場所は彼らの為だけの空間ではなく「誰のものにでもなる、“僕たちの場所”」であるのだと…。ちょっと謎掛けのような説明ですが、この展覧会を訪れた人が懐かしい気分になる、みんなに開かれているんだけど、それぞれに親密な雰囲気を感じるのは、きっと奈良さんの作品や自宅から持ち込んだ沢山のお気に入りのモノ達を包み込む、様々な場の記憶がしみ込んだ沢山の廃材や人形やぬいぐるみ、そして何よりも参加した全ての人が共有する「僕たちの場所」を作るんだという夢が結実して“home”が出来上がっていて、その思いが場を包み込む空気として伝わってくるからなのでしょう。
 ドローイングルームにある“AtoZ”のロゴが記された、今はまだ開かないあの扉の向こう側は、奈良さんの作品と展覧会という“旅”で集めた廃材で各地の仲間達と作った小屋の数々、労働力と想像力etc…全ての力を一つの夢のもとに結集して作り上げる、見たことが無い「私たちの場所」へ、夏の弘前の煉瓦倉庫へと繋がっている夢の扉なのかもしれません。(文=今香)
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扉の向こうには…


★「home」展はgraf media gmにて
12月18日〜2月12日まで開催
graf HPはこちら

A to Zとは?

All Photo Copyright Masako Nagano, Kaoru Kon & A to Z 2006 All rights reserved.
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by AtoZ_reporter | 2006-01-21 13:49 | ★各地の展覧会リポート




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